river

ようやく向き合えたのは、やっとの思いで地元に2日間帰って、また東京への帰路でのことだった。暗い窓にうつる自分が恥ずかしく、情けなく、わらえてしまう。

 

最近仕事中は、履いているプリーツスカートの裾の揺れにばかり意識がいっていた。

肌にふれるレーヨンの薄い感覚がこそばゆくて好きだ。しばらくこの揺れを見ていられるとおもうと、なんとなく気分はよかった。

 

 

泣きだしそうだった衝動がすり減っていく。せつなくないと、恋にならなかった。幼い、ままごとのような、愛の真似事のような日々だった。それを大切に、大切にしていた。大切にしていたのはわたしだけだった。

 

あなたがいなくなった季節は、これからも、美しいものにしてゆかねばならない。