pity

 

わたしがなんど泣いても驚いて抱き締めておなじように泣いて顔に触れて涙を拭うのはただひとり。なにも持っていなくても、なにもできなくても動けなくてもゆるしてくれたのも、ただひとり。そういう愛に触れつづけていたから、それ以外のものにわたしは鈍い。そういう愛を、わたしもあげられたらとおもった。それは簡単なことのようにおもってた。簡単に当たり前のようにもらっていたから。

 

すべてが良くなっていけばいいと、いつもそうおもう。嘘を嘘じゃなくする術をわたしは知っていてあのひとは知らないというだけなのに。滲んでいくのをとめられない。いったい、誰のせいなのか。

 

消えない共有願望に辟易する。